DSCの基礎3

 

DDSCをみるとガラス転移点が決めやすい 

DSCを測定した際に、普段あまり気にしないと思われる、DDSCというものが表示される。これはDSCの微分にあたるものであり、DSCにおける変移を判りやすく見るためのものである。具体的な例を示す。

DDSCは微分であるから、傾きが0(ゼロ)になったときに、値が0になる。つまり、ベースラインのように変移がないときは0である。また、極大値 (結晶化など)と極小値(融解・エンタルピー緩和など)でも0になる。

温度上昇と共にDSC曲線が下にずれていく場合にDDSCはプラスの値になる。この結果として、DSCにおいて補外ガラス転移開始温度を決める変曲点ではDDSCが最大値を取る。また、ベースラインが下にシフトしていくような場合は、一定の割合でベースラインが変化している時には一定のプラスの値を取り、 ここから変移が起きたときにDDSCが上昇していく。

 

 

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