わかりやすいレジュメの書き方とわかりやすい話し方を心がけよう!
結果がどんなによくとも、それをうまく伝えられなくては意味がありません。わかりやすく自分の結果を伝えるためにはどのようにしたら良いのか?のひとつの考え方を以下に簡単に示します。
わかりやすいレジュメの書き方
以下はゼミなどでのレジュメを前提にして書いています(つまり、口頭で説明する際の補足資料であって、口頭での説明がない報告書ではない)。
ぱっと見てわかりやすいレジュメのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
なぜかは以下に追って書いていきます。
わかりやすい話し方をするために
最大のポイントは、レジュメを見ている人に主導権を与えない、ことです。
というのは、一般に読む速さと話す速さは人によって異なり、目から入る情報の方が確実かつ量が多いので、文章があると大体の人は自分のスピードで文章を読んでしまいます。
従って、レジュメにごちゃごちゃと文章を書いたりしないいほうが無難です。例え、話し手のスピードで読んでいった場合でも、話し手が少し文章と違ったことを話すとどこを読んでいいのか付いていけなくなって、結局自分のスピードで読んでしまいます。だからと言って読む速さくらいに速く話されると、大体の人は聞く気がなくなります。
なので、聞き手がどこを見るかをプレゼンテーションする人が必ず握っていなくてはいけません。
そのためには、「ここで真ん中に書いてあるスキームをご覧下さい。ここに有りますように・・・・」、とか「では次のページに移ります」とか言って話し手が聞き手の注意を一カ所に留めておくことが必要です(あとでレジュメを見てもわかるように文章をいっぱい書いておく場合は、これを良く注意すること)。また、注意点をわかりやすくすることも重要です。このために適度な空間や、目に付きやすい結果を示すものが役立ちます。
また、表の説明をする際に、結果を十分説明せずにいきなり「この表から解るように、○○であることが解ります」と言っても誰も付いていけません。と言って、結果を羅列して読んでも聞いている人は理解するのに時間がかかって結局よく分からなくなってしまいます。例えば良くない結果であれば、「run5-7ではそれぞれ、温度と反応時間が不足していたため十分に反応が進行せず、run8では高温すぎたために反応の選択性が低下しました」などとまとめて簡潔に話しましょう。
また、プレゼンの場合は必ずしも全ての結果について言及する必要はありませんが、論文などでは載せた結果は全てディスカッションの対象ですので、少なからずコメントをしなくてはいけません。「結果はこれだ!わかれ!」ってのは無しです。
なぜこうなったか?他の実験の結果とはどういう理由で違う結果になったのか?などが必要です。
とにかく、レジュメを作るとき、話すときは、「自分が初めてこれを見たり聞いたりしたときに理解できるか?」を考えましょう。書かれていない情報があるのは論外ですし、情報が十分に書かれていたとしても、理解が進むように説明できないのは、説明する人の責任です。わかってもらえなくてもよいという自己満足の発表に人の時間を浪費させてはいけません(一般人には分かりがたいとてつもない研究をしている人は例外)。
ということで、まとめると以下のような感じです。
わかりやすいプレゼンをするために(口頭発表の場合)
とにかく「初めて聞く人にわかるように」を意識する
レジュメのポイント
・ 字をあまり多くしない
・ 適度に空間を空ける
・ 短いコメント・わかりやすい図をいれる
→ 全体斜め読みで誤解されるよりもポイントをよくかみしめてもらう
話すときのポイント
・ 聞き手が注意するところを常に逃がさない
→ 「では2ページ中央の図をご覧ください」など
・ 速すぎないように
・ 結果に十分に解釈を加える
→ 聞き手に理解する時間を与える
→ といっても長すぎないように良くない結果はまとめて話すなど工夫を
実際にこうして見ると上の文章だらけのところより、ポイントはわかるでしょう?自分がこれをレジュメにするのであれば、最初にこの真上のを書いて、そのあとに箇条書きでそれぞれの説明をつけます。